男はつらいよ柴又を訪ねる。男はつらいよ記念館のとらやのセットは必ず行くべきだ。

f:id:rainbowfish:20191220104501j:image男はつらいよ」を初めて見たのはいつだったか、それは忘れてしまった。ただ、母親と一緒に映画館に「男はつらいよ」を見に行ったことだけは覚えている。小学校の低学年だったと思う。男はつらいよ 寅次郎春の夢、だったはずなのだが、同時上映の神様のくれた赤ん坊の方が面白いと思った記憶がある。

いずれにせよ、それから考えると、それ以前にテレビで「男はつらいよ」は見たことがあるはずだ。

当時は「男はつらいよ」は、あまり好きではなかった。寅さんの傍迷惑な行為が苦手だったのだ。それが急に変わったのは、35歳を過ぎた頃だったように思う。ある日、テレビで「男はつらいよ」を見て、僕は涙が止まらなかった。その頃の僕は、「男はつらいよ」を見て泣くほど、心身ともに弱っていたようだ。それから、全作品のDVDを借りて全作品を見まくった。

 

男はつらいよ」は全作品に共通するものが沢山ある。

ストーリーとして共通するのは:

  • 寅さんがふらっと帰ってくる。
  • さくらは、いつも寅さんこと、お兄ちゃんの帰りを待っている。
  • 寅さんは、必ずマドンナに好意をいただき、そして最後は破局を迎える。ここを単純に振られる、という表現をすることも多いが、全作品を見ると、必ずにも振られるわけではないことがわかる。寅さんが振ること、あるいはマドンナの好意を寅さんがはぐらかすことも多い。
  • マドンナには必ず影や過去の辛い別れがある。それは死別だったり、離婚だったり、親子の別れだったり。
  • そして、マドンナ(時には他のゲスト)は寅さんと出会い、交流を重ねることで、前向きに生きていきことを誓う。
  • 寅さんは、それを見届けつつまた旅にでる。

場所として:

キャストとして:

  • 寅さん
  • さくら
  • おいちゃん
  • おばちゃん
  • ひろし
  • タコ社長
  • ごぜんさま
  • ...

ここまでまとめてみると、「男はつらいよ」はストーリーとしては、シリアスで悲劇的なんだけれど、舞台、キャスト、シチュエーションで喜劇に変えているのだとわかる。「男はつらいよ」が愛されているのは、この映画の持つこの二面性なのだと僕は思う。

 

というわけで、舞台の柴又を散歩してきた。柴又に来るのは3回目。最初は1人で。2回目は妻、子供と一緒に。今回はまた1人で。

柴又へは、京成高砂京成金町線に乗り換えて行った。平日ということもあって、人は殆どいない。気持ちの良い散歩ができそうだ。

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帝釈天までの参道をぶらぶらと歩く。団子をお土産に買っていこう、と思う。

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 ところで、柴又に来た理由は寅さん気分に浸るためだけでない。帝釈天御朱印を頂くためである。境内に入ってキョロキョロ見渡しても、御朱印の案内が見当たらない。仕方がないので、お寺前まで歩いて行くと、中で御朱印を受け付けていることがわかった。靴をぬいで、中に入り御朱印を頂く。嬉しい。

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お参りを終えて、男はつらいよ記念館まで歩く。

立派な建物だった。中に入ると、セットがそのまま再現してあった。僕は、縁台に座ったり、椅子に座ったりしながら寅さん気分を味わった。大満足。

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それから一通り館内を巡った後、荒川の土手へ向かう。堤防からの荒川を眺めると空が広い。

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それから川甚の横を通って帝釈天に戻る。川甚は、夏目漱石の小説にも出てくる老舗の名店である。

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一度食べてみたいと思いながら、寅さんが矢切のわたしからとらやに帰ってくる道のりをたどり、そして柴又を旅たつ時の道のり、つまり柴又駅から電車に乗って帰途についた。

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草団子は、まずは「とらや」で休憩しながら団子を食べた。つるっとしていて美味しい。それから高木屋老舗でお土産を購入。高木屋老舗のお団子のほうが柔らかい。ネットの情報によると、どの団子屋さんも美味しく、それぞれに特徴があるとのこと。次回は、他の団子屋さんでも食べてみようと思った。