私立理工系大学の4年間の学費を調べてみました

今年も学費を収める季節が来ました。大学の学費って高いですよね。特に私立理系の学費は高い。一体、相場はいくらなんだろうと思って、首都圏の私立大学で理工学部がある大学について調べてみました。なお、立教大学学習院大学は理学部のみの大学なので省きました。

大学名

年間学費例

4年間の総額例

 

早稲田大学

1,703,000 ~ 1,800,500

7,220,500

早稲田大学がまさかの高額学費1位でした。イメージでは、在野の精神、庶民派なんだけど、学費的には日本で一番の富裕層向けの大学でした。良い大学なのは疑いないところだけれど、学費の面では安易に勧めることはできないようです。いい大学なのに残念。学費は、アメリカの私立大学みたいに、世帯年収に合わせて変えたらいいのに。

慶應義塾大学

1,663,250

6,853,100

イメージでは富裕層の学校でダントツに高そうな学費なのに、実際は意外と良心的な金額。早稲田大学よりはもちろん、青学よりも学費が安い。早慶で同じ難易度で両方合格したのであれば、学費の面では慶應の方がお得です。

上智大学

1,592,000

6,590,650

イメージではおしゃれでお金がかかりそうなんですが、実はそれほどでもない学費。この学費で四ツ谷キャンパスは実はお得かもしれない。英語、文系の大学というイメージですが、実際は総合大学でもありますし理系も私立の中では研究成果も高く、学費の面でもおすすめです。

東京理科大学

1,295,000 ~ 1,410,000

5,740,000

庶民の味方。国語・社会が苦手で国公立受験が無理、でも学費的には私立も無理という人には、優先的にうけるべき大学、心強い味方。学費の面でもおすすめです。総合大学ではありますが、理工系がメインの大学なので、華やかなキャンパスライフとは言えないかもしれない。そんなの関係ない、と言う人も理系には多いかもしれませんが。

明治大学

1,611,000

6,649,000

勝手なイメージで申し訳ないけれど、早稲田大学と同じようにもう少し安い学費だと思っていた。かといって、それほど高いわけではありません。

法政大学(航空を除く)

1,550,000 ~ 1,610,000

6,471,000

イメージ通りの学費。明治、法政、青山、中央の中で、学費の面でおすすめです。

青山学院大学

1670000

6,922,000

想定外の高い学費。慶應上智よりも高いです。しかも、青山といいながら、理工系のキャンパスは相模原です。4年間の相模原のキャンパスライフは、周りの庶民的な環境の雰囲気とは違って意外と高くつくよううです。学費の面では、あまりおすすめとは言えないみたいです。

中央大学

1,598,000

6,632,000

高くもなく、安くもなく、普通の学費。安心して入学できます。明治大学中央大学、法政大学は、学費の面でも同じくらいですが、法政大学が学費の面では少しだけお得です。キャンパスの場所的には、中央大学千代田区で賑やかです。明治大学の理系のキャンパスは、川崎の山の方ですので、ガッカリする人もいるかもしれません。都会が好きな方は、中央大学がおすすめです。田舎が好きな方は、名前に反して青山学院がお勧めです。少し郊外であれば、明治と法政大学。

日本大学

1,400,000 ~ 1570000

5,910,000 ~ 6,140,000

日東駒専理工学部があるのは日大と東洋大のみ。学費は意外と安いです。成績的にトップクラスが難しい人には良いのではないでしょうか。学費の面でもおすすめです。

東洋大学

1,235,000 ~1,335,000

5,630,000

日大や東京理科大よりも安い学費。私立理系では大変お得です。学費の面でもおすすめです。

芝浦工業大学

1604380

6,550,020

四工大も調べてみました。思ったよりも高いけれど、相応の学費でしょうか。学費の面では、もう少しがんばって東京理科大を目指すべきです。偏差値的には日東駒専よりも難しく、学費も日大・東洋よりも高いのに、一部の人しか知られていない大学。誰でも知っている大学として対外的なネームバリューを考えるのであれば悩みます。就職を考えると日東よりも四工大の方が良いことも多いです。

工学院大学

1490500

6,202,660

思ったよりも良心的な学費です。新宿でキャンパスライフですし、よいかもしれません。芝浦工大と同様、一般的な知名度という意味ではコストパフォーマンスは日大・東洋の方が良いような気もします。

東京大学千葉大、埼玉大、横浜国立大

535,800

2,425,200

国公立は、やはり安いです。理系はしのごの言わず、国公立をまずは目指すべき、と言われる所以。学費は私立の半額から三分の一弱。国内最高峰の環境を誇る東京大学だって、私立の半分以下の学費です。圧倒的に学費が安い。東大のコストパフォーマンスは圧倒的です。研究費も東大が日本でダントツに1位です。しかも国公立は収入の少ない家庭には学費の免除もある。私立理系に行くのが馬鹿らしくなりますね。学費のことを考えると、国語と社会の受験勉強を少しだけ頑張って国公立をめざしたほうが良いと思いますよ。よくよくかん考えてみると、センター試験の国語と社会は、教科書を何回か読み、普通に本を読んだり、新聞を見たりしていれば、だいたい常識で回答できる問題ばかり。古文などは、1ヶ月前に文法と単語を暗記すれば半分以上はとれでるしょう。所詮、昔の日本語です。二次試験に国語のある東大・京大を外せばなんとかなるのではないでしょうか。

しかし、国公立といっても一人暮らしをすると、ここに400万円(月8万程度の仕送りとして)ほど上乗せされて6,425,200円となってしまいます。ここに帰省費用や引っ越し費用、敷金・礼金等々を含めるとコスト的には私立理系の自宅生と変わらないか高くつきます。したがって、首都圏在住の優秀ではあるが東大、東工大は難しいかな、ぐらいの学力の方は、北大、東北大、名古屋大や九大などの地方の旧帝大に行くよりは、コスト的には慶応、上智理科大に進学する方が安くあがることになります。(早稲田は高いことがわかったので、選択肢としては除く。コスト的に見ると、早稲田大学は、早稲田が好きで好きでたまらない、早稲田じゃないとダメなのだ、と言う人が行けば良い)

ただし、首都圏の学生でも1人ぐらしによる社会勉強の利点を考えれば地方の帝大進学もいいかもしれません。生活費は変動費なので、やりくり次第では下げることもできます。一番勿体無いのは、地方の学生が首都圏の私立理系大学に進学するケースで、コスト的にみれば、これは大きな無駄遣いだと思います。仕送りを含むと一千万を超えてしまって、下手すれば家だって建ってしまう。高級外車だって2、3台買うことができます。是非、地元の私立大学か、一人暮らしをしてもいいので国公立大学を目指すべきでしょう。

東京工業大学

635,400

 

東工大は、実はすこしだけ学費が高いですが、とてもとても良い大学です。理系であれば、大変お勧めです。

 

こうしてながめてみると、学費という観点からは首都圏の私立理系は首都圏の(国公立)理系進学希望者の学生のための受け皿としてあると言えなくもない。例えば、早稲田慶應は、首都圏学生の東大・京大・阪大や東工大の併願先として。上智東京理科大は、首都圏学生の早稲田慶應東工大千葉大横国、都立大あるいは地方の旧帝大の併願先として、という感じ。MARCHは、上位の私立理系と電通大東京農工大、海洋大、都立大、旧帝大の併願という感じかな。そういう観点で見ると、首都圏の学生が、MARCH日東芝浦工学院と、それほど有名ではない国公立に受かった場合は、どっちに進学するんだろうね。でも、そのタイプの学生は、早くから2教科・3教科の私立型の勉強か、5教科の国公立型の勉強かに別れてしまっているから、私立型の人は私立の中で希望のところへ、国公立型の人は国公立の中で希望のところへ、という感じになって悩む機会はあまりないのかもしれない。私立の明治大学を希望しつつ併願で例えば国立の富山大学、って変だし、国立の岡山大学を第一希望で併願で法政、っていうのも変ですね。そもそも、受験勉強に無駄が多くなります。

一方、私立文系の場合は学費が比較的抑えられており、早稲田の政経でも4年間で4,870,900となっています。国公立の約2倍で済みます。地方のかたには4年間の仕送り費用400万を加えると8,870,900となってしまって、やや高額になってしまいますが、文系はアルバイトの時間もとりやすいでしょうし、なんとかやりくりできるかもしれない金額です。早稲田理系で一人暮らしだと4年間で1100万円以上かかってしまい、これではお金持ちしか進学はできません。コスト的には、地方から有名私立大学の理系に進学するよりも、旧帝大東工大、有名国立大学を目指すべきでしょう。こうして見ると、文系は私立にまかせて、国公立は理系を中心に据えるべき、という文科省の論説も一理あるような気もしてくるから不思議です。