映画 - 第10話 男はつらいよ 寅次郎夢枕

男はつらいよ第10作は、今までのストーリーとは少し異なるように感じる。マドンナ役は八千草薫です。この作品を見るまで、寅さんといえば、寅さんの片思いで終わる筋書きの踏襲、それが定石とばかり思っていました。しかし、ここではマドンナから寅さんに結婚を告白される、という展開。今までの寅さんとは逆の展開でした。でも、ここでは、寅さんはその告白をとぼけてかわし、そして旅に出てしまいます。

寅さんは、どのような形をとっても、恋は実ららせるつもりはないのです。自分が追いかけている時は、安心しておいかけているけど、マドンナがふと立ち止まって、寅さんに気づいたり、好意をみせると、さっと引いていく。それが、寅さんの美学というか、女性に対する敬意、というか、きっとそういうことなんだろうな、と思います。俺みたいなやつ、と寅さんはよく口にします。自分は女性を幸せにはできない、ということなんだろうな、と思います。

この第10作を見てからは、この映画の見方がだいぶ変わりました。