アニサキスアレルギー(4)食べれる魚はあるのか?

アニサキス症やアニサキスアレルギーになってしまったら、誰でもアニサキスのいない魚を知りたいと思ってしまいます。そこで、東京都福祉保健局の調査データ[1]を基に調査してみました。

結論は、多くの魚類でアニサキスの寄生がみられます。詳細は、実際の公開データ[1]を見ていただくとして、アニサキスアレルギーになってしまった自分としては、安心して食べることが魚はないものか、と思います。そこで、まずはアニサキスのいないと思われる魚たちから......

アニサキスがいない(はず)の魚類

わかさぎだけは、その生態、生息地から考えてOKのような気がします。なお、養殖魚から検出されていないそうなので、どうしても魚が食べたい時は、養殖魚を選んで火を通してから食べるのが比較的安全かと思ったり......

  • 養殖のサーモン
  • 養殖のハマチ
  • 養殖の鯛
  • 陸上で養殖している鯖
  • 養殖のうなぎ

 

アニサキスが検出されなかった魚類

今のところ[1]の調査では、以下の魚からアニサキスは検出されていないそうです。なお、検査個体を十匹以上に絞りました。

魚種名  検査魚体数  検出魚体数  検出割合 一匹あたりの寄生虫
         
アオハタ 21 0 0% 0.00
アオメエソ 14 0 0% 0.00
アオリイカ 10 0 0% 0.00
アカアマダイ 25 0 0% 0.00
アカシタビラメ 25 0 0% 0.00
イシガキダイ 12 0 0% 0.00
イシダイ 13 0 0% 0.00
イシモチ 17 0 0% 0.00
イトヨリダイ 29 0 0% 0.00
イボダイ 14 0 0% 0.00
ウスメバル 27 0 0% 0.00
カワハギ 20 0 0% 0.00
キチヌ 12 0 0% 0.00
クロダイ 31 0 0% 0.00
ケンサキイカ 10 0 0% 0.00
コウイカ 15 0 0% 0.00
コショウダイ 14 0 0% 0.00
コノシロ 27 0 0% 0.00
サヨリ 10 0 0% 0.00
シマアジ 15 0 0% 0.00
シロギス 18 0 0% 0.00
タカベ 22 0 0% 0.00
ニベ 10 0 0% 0.00
ハモ 13 0 0% 0.00
ヒラスズキ 15 0 0% 0.00
ヘダイ 10 0 0% 0.00
ボラ 10 0 0% 0.00
イワシ 54 0 0% 0.00
マガレイ 15 0 0% 0.00
マコガレイ 30 0 0% 0.00
メダイ 15 0 0% 0.00
メバル 10 0 0% 0.00
ヤリイカ 15 0 0% 0.00
ワカサギ 10 0 0% 0.00
ワラサ 11 0 0% 0.00

 

 

では、アニサキスが多い魚は?

アニサキスが多く検出された魚類

[1]のデータを基にして、検出割合を出してみました。検出割合とは検査個体のなかで、アニサキスが見つかった個体の割合としたものです。すると50%以上の魚は以下のものになりました。

魚種名  検査魚体数  検出魚体数  検出割合 一匹あたりの寄生虫
         
イシナギ 2 2 100% 1.00
オオニベ 1 1 100% 20.00
キアンコウ 1 1 100% 8.00
マダラ 5 5 100% 16.40
カツオ 29 24 83% 5.17
スケトウダラ 5 4 80% 2.25
アンコウ 4 3 75% 7.67
オナガ 4 3 75% 2.33
ハチジョウアカムツ 17 12 71% 5.33
シイラ 6 4 67% 6.50
キンメダイ 44 29 66% 7.55
サケ 7 4 57% 3.75
ホッケ 22 12 55% 1.58
キジハタ 2 1 50% 3.00
ヒメダイ 2 1 50% 2.00

あんこうかつお、たら、さけ、ほっけ.... 確かに多そうだ。このなかで刺身で食すのは"かつお"なので、かつおアニサキス食中毒になる人が多い理由がわかる。あんこう、たら、さけ、ほっけは鍋や焼き魚なので、たとえアニサキス多くてもアニサキス症にはならないのだろう。アニサキスアレルギーの場合はどうなのか、は不明。オオニベという魚は全く知らないけれど魚一匹あたり20匹のアニサキスが見つかったそうなので、絶対食べない方がいいだろう。

 

アニサキスがそれなりに検出された魚類

全くいないわけではない魚として以下のものがあった。

魚種名  検査魚体数  検出魚体数  検出割合 一匹あたりの寄生虫
         
マトウダイ 25 12 48% 4.25
ヨロイイタチウオ 11 5 45% 1.80
アカムツ 8 3 38% 1.67
エゾイソアイナメ 11 4 36% 2.00
オニオコゼ 3 1 33% 1.00
サワラ 32 9 28% 3.78
シシャモ 20 5 25% 1.00
タチウオ 28 7 25% 3.00
ヒラメ 29 7 24% 4.00
ホウボウ 31 7 23% 1.71
メジマグロ 10 2 20% 11.00
マダイ 37 7 19% 15.43
アオダイ 6 1 17% 1.00
ニシン 30 5 17% 1.80
ハマダイ 19 3 16% 1.67
ウメイロ 13 2 15% 1.00
アカガレイ 7 1 14% 2.00
クロソイ 28 4 14% 1.75
マアジ 59 8 14% 2.88
クロムツ 32 4 13% 4.50
ユメカサゴ 9 1 11% 1.00
アカハタ 27 2 7% 1.00
マゴチ 28 2 7% 1.00
スルメイカ 30 2 7% 1.00
チダイ 32 2 6% 2.00
スズキ 35 2 6% 1.00
メジナ 19 1 5% 4.00
イサキ 42 2 5% 6.50
ブリ 22 1 5% 1.00
サンマ 49 2 4% 1.00
トビウオ 25 1 4% 1.00
アイナメ 30 1 3% 1.00
アカカマス 38 1 3% 2.00

たい、むつ、あいなめ、おこぜ、さわら、ししゃも、たちうお、ひらめ、めじまぐろ、にしん、かれい、あじするめいか、すずき、ぶり、さんま、とびうお、等々馴染み深い魚ばかり。これでは、アニサキスアレルギーの人は刺身を食べることはむりだ。ししゃもにもいるのか。。。と絶望的になりました。

 

[1] 魚種別アニサキス寄生状況について(平成24年4月から平成29年3月まで), 東京都福祉保健局https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/anzen_info/anisakis/tyousa2.html